【 概 要 】−諏訪大社下社秋宮境内の隣接地にある青塚古墳(長野県指定史跡)は諏訪地方唯一の前方後円墳。埋葬者は不詳ですがかなりの実力者とされ秋宮との関係が想像でします。社宝である売神祝ノ印は大同年間に平城天皇から授かったものと伝わる宝印で「売神・祝印」の韻文が彫り込まれています(書体や規格などから平安時代作)。売神とは、八坂刀売命。祝とは神官である大祝示しているとされ、往時は八坂刀売命が唯一神として祀られていたと思われます(現在の祭神は建御名方命、八坂刀売命、配神は御兄八重事代主神)。上社とは異なり、下社には秋宮と春宮が存在し遷座祭の神事により約半年間、祭神の遷座地が変ります。基本的に秋宮と春宮の社殿の構造や配置などが同じですが社殿はお互い競い合っていた為、新しく建てられた秋宮の方が若干規模が大きくなっています。春宮と同様に本殿は無く、本殿は無く左右に御宝殿と呼ばれる三間社、神明造、茅葺の社殿があり、拝殿背後の禁則地には御神体として秋宮はイチイの木、春宮は杉の木が祭られています。下社では大祝家一族の童子がヨリシロになり祭神である建御名方命を取り込み自らが御神体になったとされます。現在の社殿は安永6年から安永10年に再建されたもので名工立川和四郎初代富棟が手懸けた貴重な社殿建築として国指定重要文化財に指定されています。
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