【 概 要 】−西念寺の創建は弘治元年(1555)、武田信玄が開基となり岌往上人(伊勢国出身、特に武田信玄に帰依され美濃・信濃・甲斐など70カ寺前後の開山に携わったとされます。)を招いて開山したのが始まりで信玄の尽力により境内が整備されました。戦国時代末期小諸城主になった仙石秀久から庇護され文禄年間(1592〜96)に堂宇の修築など境内の整備を行い自らの菩提寺としました。元禄16年(1703)に岩村田藩が立藩すると藩主である内藤家の菩提寺となり寺運も隆盛し寛永年間(1748〜51)に再建された本堂(入母屋、桟瓦葺、平入、正面1間向拝付、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ)の他、総門(切妻、桟瓦葺、一間一戸、四脚門、「一行山」の扁額)や山門(八脚楼門、三間三戸、入母屋、瓦葺、上層部花頭窓、高欄、真壁造)などの諸堂が整備されました。西念寺本尊の阿弥陀如来座像は藤原時代の末期、定朝様、寄木造、像高130cm、「本尊弥陀之像彩色之事」、「右彼再興之起者上原甚左衛門」、「永禄六竜集天卯月朔日」、「願主生蓮岌住 相蓮社円誉」の墨書修理銘が残る、長野県内の優れた仏像で墨書から修理年や願主が記され資料的価値が高いことから昭和34年に長野県指定県宝に指定されています。又、境内には仙石秀久の墓碑や岩村田藩4代藩主内藤正国の墓碑があります。
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